2015/04/22 15:46

 古来より正装時に扇子を持つことは、欧米でネクタイを締めたりハンカチを持ったりするように、儀礼的に身だしなみを整えることになります。

様々な芸事の始まりや終わりの際、手元に置いてお辞儀をするのは謙譲の意味で、相手と自分との間に扇子を置くことで一線を引いて分けて相手に対し自分がへりくだるという意味があるようです。

また、武士が登城のときは欠かさず持っていたようで、刀の代わりに使われる場合もあったようです。

一般的に小唄や長唄・端唄などでは男性は9寸、女性は6.5寸の白扇を使います。

結婚式では新郎は9寸、新婦は6.5寸の白扇(近年、新婦は金銀扇の場合が多く、扇骨も最近は白いプラスチックが多くなりましたが本来象牙などを使うようです。)

幅の広い親骨の扇子で、大きさによって、茶道は男性6寸・女性5寸、落語の高座では7.5寸、囲碁・将棋の対局では8.5

能では尺1寸の仕舞扇、踊りは9.5寸の舞扇など、色々な事に使われ、古来より日本人は扇子と深く関わって参りました。